父の想い出2

前回は父との葛藤を書いてみたのだが、今の僕はそのことで父を恨むわけでもなく、愚痴を言いたいわけでもない。かえって今の僕があるのは、あの幼い頃の「くっそー!!負けないぞ!!」という根性ドラマのような日々があったからだと思っている。物はとらえようでどうにでもなるようだ。

そういえば、今でも忘れられないワンシーンがある。

父は僕の弟を猫っ可愛がりに可愛がっていた。きっと、弟が父に忠実だったからなのだろう。父は、僕の目の前でわざと遊園地に出かけると言い出して「おめえは家にいろ!」と言って弟だけを連れて出かけてゆく。はじめは何でそんなに意地悪されるんだろう。と、毎回悲しみのどん底に落とされていたのだが、そこは生まれながらの奇人変人である僕だ。父がまるで僕をライバル視しているように思えてきたら、何だか面白くなってきてしまったのだ。
「悲しんであげない」「落ち込んであげない」と決めたら、何だか気が楽になった。しかし、あっけらかんとしていた僕を見て、その分父はいらいらが増していたようだった。
「はい、僕の勝ち!」「何だかたわいない男だなあ」と、幼いくせに生意気だった僕は、父を手玉に取っていた。

しかし、弟は高校生になってから、少しずつ父に反抗しはじめていた。そんなある日、僕が夕方家に帰ると妹が大きな声をあげて泣いている。「どうした?」と僕が聞くと、妹は泣きながら事の顛末を語ってくれた。
ほんの些細なことから父と弟は口論になり、とうとう弟は父を殴ってしまったのだという。そして、勢いあまって、父はベランダのガラス戸を突き破り、散らばるガラスの上に転がってしまったというのだ。そんなわけで、父は救急車で病院に担ぎ込まれていってしまったというのである。

それからしばらくして、父は病院から帰ってきた。父のけがは、ベランダのガラス戸の大破とは裏腹に、大事には至らなくて済んだ。

一方、弟の方はというと、父を殴ったまま家を飛び出し、行方不明になってしまった。次の日から学校にも行っていないという。母は弟の友人関係やら学校周辺やらを探し回ったのだが一向に手がかりがつかめなかった。

それから数日後、弟から電話がかかってきた「お母さん助けて」というのが第一声だった。
「あいつはヘボだなあ。そこまでやって、いかしてないじゃん!」僕は単純にそう思った。……

ことの顛末、また書こうと思います。

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