父の想い出3

昔、「弟さん  いい男よね!!」と近所のおばちゃん達が挨拶代わりのように僕に言っていた。僕はその「は」というところがいつも「イヤミ」にしか聞こえてこなかった。

そのおばちゃんたちのイヤミな挨拶に対して、僕は苦笑いしか出来ず、ただ首を上下に振るだけだった。あの日、その「いい男」であるはずの弟が家出して行方不明となり、挙句の果てに「お母さん助けて!」と電話をしてきたわけである。

結局、その「助けて」のいきさつは次のようなことだった。

弟は色男なので、ナンパもうまかったようだ。しかしその時は、年上の女に逆ナンされて、アパートに転がり込んでいきなり同棲。いやいや、モテル男はどうやってでも生きてゆけちゃう!!(笑)

しかし、不摂生(ふせっせい)が祟(たた)ったのか、扁桃腺が腫れ、保険証もなかったのでそのまま病院にも行かずに数日間我慢していたらしく、呼吸困難になるほどまでに喉が塞がってしまっていたのだった。

色男も病には勝てなかった。男なんて結局皆ヨワッチイ生き物で、最後は「お母さん助けて!」となってしまうのかもしれないな。今、あらためて僕はそんなことを思ったりする。

さて、弟の「家出劇場」もたった1週間ほどの興業だった。もしかしたら、弟が病気になったのは、行方不明の息子を思う母の強い気持ちが天に届き、少し荒っぽいけどそれで帰宅を促したのかもしれない。

その後、父と弟が話をする姿は全く見ることがなかった。

そんなある日、父の思いがけない言葉に僕は耳を疑った。……

父が亡くなった時のことも含め、「父の想い出」は、次回エッセイとしてまとめてみようと思う。

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