今の時代はローコストキャリア、つまり格安航空会社が随分幅を利かせ、既存の航空会社はこれからどうなってしまうのだろうか?などという懸念もあった。
しかし、次第に住みわけが出来てゆき、「いくら搭乗中はきつくても、取り敢えず目的地まで安く行ければいい」という人もいれば、「空の旅は楽しく優雅にゆったりと」という一群の人々がいたりもする。
僕自身、幼い頃に貧乏のどん底にいた家庭環境から考えたら、「飛行機自体に乗れるなんてことすら思っていなかったから、格安航空券はありがたい」と思う人間であるはずだったのかもしれない。
ところが、ひょんなことから神様が降りてきて、ある日・ある時から、僕は何だか信じられない旅の体験を重ねることが出来るようになったのだった。
その原点にあたる「魔法の話」はいずれすることにして、今回はカリフォルニアへの取材旅行の話の続きをしようと思う。
2010年7月、僕はノーベル文学賞を受賞したアメリカの文豪スタインベックの記事を書くためにカリフォルニアへと飛んだ。
さて、旅の第一歩が落ち着いた空港ラウンジから始まると、これからの旅が一層楽しみになって来る。
ありがたいことに、JALのFクラスラウンジを使わせてもらえることで、いつも旅の第一歩を優雅な気分にさせてもらえている。
成田空港のFラウンジでは板前さんが直接江戸前寿司を握ってくれたり、それに合わせた幾種類もの日本酒が用意されていたりする。
また、羽田空港Fラウンジでは注文と同時に焼き上げてくれる鉄板焼きが提供される。
ビールを呑みながら食事をし、様々な国へと飛び立つ飛行機を見つめて、その国の生活や風景に思いを馳せる。
おっと、ついつい酒が進んでしまい、食にも満たされ始めてしまう。確かにFラウンジの食事はかなりいかしてるのだけど、機内での食事を楽しめなくなってはいけないのでそこそこにして搭乗することにした。
この日はJAL002便サンフランシスコ行きFクラス。こうしてゆったりとした席を用意していただき仕事に向かえるのは実にありがたいことだと思っている。
この機材はまだ以前の機材で、アイボリーの革張りの座席の頃だった。しかし、横幅は広くてゆったりとしている。そして、眠くなったらこれがベッドに早変わりするのだ。
眠そうな素振りを見せると、キャビンアテンダントがどこからともなく敷きパッドを用意してくれて横になる。するとその上に羽毛の布団を掛けてくれるという至れり尽くせりのサービスが提供されるのだ。
もちろん、モニター画面も大きいので横になりながら最新の映画も見放題。
https://www.jal.co.jp/inter/service/first/
そして穏やかな時の流れの中でキャンアテンダントのにこやかな笑顔と共に渡されるのがFクラスのために用意されている飲食メニューのリスト。
その中は高級なシャンパンやワイン、日本酒など呑み切れないほどの酒のリストで溢れている。
JALのFクラスに乗ったらいただきたいシャンパンがある。
「S」と記されたシャンパンなのだが、今回の路線には積まれていなかったのでちょっと残念。
https://www.jal.co.jp/inter/service/zoomup_champagne/
しかし、つまみや前菜は充実している。黒いダイヤモンド「キャビア」
をお供にシャンパン・ワインでくつろぎの時が過ぎてゆく。
さてさて今日のメインは米沢牛のステーキだ。
「すみません。レアーが好きなんですけど」とちょっとクルーを困らせる。
「鳥光様、誠に申し訳ございません。レアーは出来ないのですが、ミディアムレアーほどなら可能でございますが、いかがいたしましょうか?」という答えが返って来る。
「?????」ミディアムレアーが出来ちゃうわけ?
そう、そういうわけ。
料理はある程度は準備されているのだが、Fクラスの食事に限って、最終仕上げは機内で調理をしているのだそうだ。
だからミディアムレアーの提供が可能だし、『塩や醤油でステーキを食べる』
というわがままも可能ってわけだ。
「空の上のレストランでわがままに!」
これって何ともありがたいことだよな。
Fクラス専用のリラクシングウェアに着替えたら、いつの間にか眠りについたのだった。
次回はサンフランシスコからモントレーへの旅の光景をお届けします。
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